日本の夏といえば、高温多湿でエアコンが欠かせない印象があります。しかし、ヨーロッパや一部の北米、南米などでは、そもそも家庭にエアコンがない国や地域が珍しくありません。特に温帯や寒冷地寄りの国々では「夏は短い」「昔は猛暑日がほとんどなかった」という理由で、家の構造や生活習慣自体が「エアコン前提」ではないのです。
しかし近年は地球温暖化の影響で、猛暑日が増え、エアコンのない家での夏がつらく感じられる人も増えています。今回は、そんな環境での暑さ対策を、日本人が海外で実践しやすい方法を交えてご紹介します。
1. 家の構造を理解して対策を立てる
多くのエアコン非普及国の住宅は、断熱性が高く冬の寒さを防ぐ構造になっています。レンガや石造りの家は、日差しを浴びてもすぐには室内が暑くならない一方で、一度熱をため込むと夜まで熱気がこもります。
そのため、「日中は熱を入れない」「夜は熱を逃がす」という対策が重要です。
2. 窓とカーテンの使い方を工夫
日中、太陽光が直接差し込む窓は、厚手のカーテンや遮光ブラインドでしっかり遮ります。日本の「すだれ」に似た竹や布製の外付けシェードを使うと、窓ガラスが熱を持つのを防ぎやすくなります。
夜間や早朝、外気温が下がった時間帯には窓を開け放ち、風の通り道をつくると室内温度を下げやすくなります。
3. 扇風機と「打ち水」の組み合わせ
扇風機は現地でも手軽に手に入る暑さ対策アイテムです。冷風機や水を入れるタイプの簡易クーラーもありますが、扇風機でも十分涼を取る方法があります。
例えば、扇風機の前に濡れたタオルや水を入れたペットボトルを置くと、気化熱で風がひんやりします。また、日本の夏の知恵である「打ち水」は、バルコニーや庭に水をまくことで、蒸発時に熱を奪い涼しさを感じられます。
4. 就寝時の工夫
夜も気温が下がらない場合、寝苦しさで睡眠不足になることも。そんなときは、枕カバーやシーツを麻やコットンの通気性が良い素材に変えたり、枕に冷却ジェルパッドを敷いたりします。
現地で手に入りにくい場合は、日本から持参するか、保冷剤をタオルで包んで簡易枕として使うのもおすすめです。
5. キッチンの熱を減らす
夏の台所仕事は、火を使う時間を減らすのがポイントです。サラダや冷たいスープ、電子レンジ調理など、熱源を少なくする工夫をしましょう。
特に欧州では冷たいパスタ(パスタサラダ)や、ガスを使わない料理のレシピが豊富です。日本のそうめんや冷やしうどんも、現地のスーパーで入手できる乾麺で代用できます。
6. 水分補給と塩分管理
乾燥した地域では、汗をかいてもすぐに蒸発してしまい、脱水に気づきにくいことがあります。こまめに水を飲み、必要に応じて塩分やミネラルを補給しましょう。
日本の経口補水液(OS-1など)が手に入らない場合は、水に砂糖と塩を混ぜた手作りドリンクでも代用可能です。他のブログ記事で紹介していますので、そちらもご参考くださいね。
7. 外出時の服装と小物
白やパステルなど熱を吸収しにくい色の服を選び、帽子や日傘を活用します。欧州では日傘文化があまり根付いていないため、観光客と間違われることもありますが、紫外線対策と暑さ軽減には効果的です。
8. 現地流の暑さ対策を取り入れる
例えばスペインやイタリアでは、日中の猛暑を避けるためシエスタ(昼休憩)の文化があります。暑い時間帯の外出を避け、朝夕に活動するのも一つの方法です。
また、フランスやドイツでは、公共の噴水や水辺で過ごす習慣も一般的です。
9. 緊急時の対応
体温が急上昇し、頭痛・吐き気・めまいなどが出た場合は熱中症の疑いがあります。冷たいタオルで首や脇を冷やし、無理せず涼しい場所で休みましょう。重症の場合は迷わず救急要請を。
エアコンのない国での夏は、日本の「当たり前」が通用しないことも多く、最初は戸惑うかもしれません。しかし、現地の人々が長年培ってきた知恵と、日本から持ち込める工夫を組み合わせれば、快適に乗り切ることは可能です。
暑さ対策は、「熱をためない」「熱を逃がす」「体を冷やす」の3つの視点が鍵。これらを押さえれば、エアコンのない夏も、少しは涼しく過ごせるはずです。



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